胃炎(慢性胃炎)
胃の粘膜に炎症が起こり、慢性化した状態です。ほとんどが、ピロリ菌感染によるものだと言われています。
原因
慢性胃炎の多くはピロリ菌が原因であると言われています。ピロリ菌由来の慢性胃炎の場合、長く放置していることで胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクが上昇するとされています。
ピロリ菌の感染は経口感染を主としています。上下水道の整備が不十分な時代に幼少期を過ごした、現在40代以上の方に多く感染が確認されており、若い方になるにつれ、感染者数は少なくなっています。衛生環境の悪い国・地域では、未だ高い感染率が続いています。
ピロリ菌以外では、暴飲暴食、ストレス、喫煙、薬の副作用などが、慢性胃炎の原因として挙げられます。
症状
以下のような症状がある方は、一度ご相談ください。
- 胃の痛み、不快感
- みぞおちの辺りの痛み
- 膨満感
- 胸やけ、胃もたれ
- 吐き気、嘔吐
- 吐血、下血
- 食欲不振
治療方法
胃内視鏡検査によって、胃の粘膜が厚くなっていないか、萎縮していないかを評価します。また、ピロリ菌感染が疑われる所見がみられた場合には、各種検査によってピロリ菌感染の有無を確認します。
ピロリ菌感染が見られた場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。除菌治療は、抗菌薬を7日間続けて服用していただくだけの、ご負担の少ない治療です。
ピロリ菌以外が原因である場合には、胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃の働きを整える薬などを使用して、症状を和らげる治療を行います。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が胃酸によって傷つけられて弱っている状態です。ピロリ菌感染による慢性胃炎から、胃潰瘍・十二指腸潰瘍へと進展することがあります。
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
原因
慢性胃炎と同様に、ピロリ菌感染を原因とするケースが多く見られます。また、解熱鎮痛薬(NSAIDs)の服用、暴飲暴食、ストレスなどから引き起こされることもあります。
症状
以下のような症状がある方は、一度ご相談ください。
- 腹痛(特に空腹時・食後)
- 膨満感
- 黒い便(タール便)
- 貧血
- 疲労感
- 食欲不振
治療方法
胃内視鏡検査によって粘膜の状態やピロリ菌の有無を確認します。ピロリ菌感染が確認されれば、ピロリ菌の除菌治療を行います。除菌治療は、抗菌薬を7日間続けて服用していただくだけの、ご負担の少ない治療です。
ピロリ菌以外が原因である場合には、患者様の状態に合わせて、胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃の働きを整える薬などを使用します。